JFEホールディングスは日本製鉄・神戸製鋼と並ぶ日本で2番目の高炉鉄鋼メーカーです。鉄鋼業界は一般品が中国の台頭が著しく電磁鋼板などの高付加価値商品に注力するような動きがあります。
ビジネスモデルの特徴
サマリー
営業利益と純利益はコロナ禍でマイナスに転じましたが、それ以外は上昇基調にある企業です。(営業利益の2025年見通しは未発表)
ただ稼ぐ力は確実に伸びてきているように思います。
※2022年と2021年はコロナ禍、2022年はその反動なことを割り引くと、ROEとEPSそれぞれ右肩上がりです。
営業キャッシュフローもコロナ禍においては着実に稼いでいるのは好感です。後述するように京浜地区閉鎖をはじめとした固定費削減と高付加価値商品への選択と集中が貢献しているのではないでしょうか。
粗鋼生産量国内2位
JFEは全国の粗鋼生産量の約3割、国内2位の希望をほこり2022年度は8,780万トンになりました。
福山・倉敷の西日本製鉄所と千葉・京浜の東日本製鉄所がおもな生産場所です。
外部環境に負けない収益構造が貢献
利益の6割程度を稼ぐ鉄鋼事業の指標として「トン当たり利益」があります。トン当たり利益は2022年度までは上下していたものの、2023年度は大きく上昇、2024年度もそれを超える見込みです。
その主な要因は売価転嫁と高付加価値商品の比率が向上したことによります。
高付加価値商品とは顧客から付加価値を認められて汎用品を上回る収益力を持つ商品群のことです。たとえば自動車用の電磁鋼板や洋上風力向けの大単重厚板などです。
汎用品は中国の鉄鋼メーカーによる価格競争に巻き込まれがちですが、高付加価値商品の場合そうはなりません。
23年度は48%程度の比率を24年度は50%程度にする目標があります。
M&Aによる商社事業の強化
2024年3月期にセグメント利益480億円ほどの商社事業を、4年平均(2025年3月期は見通し)で500億円台後半にするとの見通しがあります。
最近のM&A実績には次のようなものがあります。
- 米国建材加工販売大手CEMCO社の買収(2022年度)
- セルビアに電磁鋼板加工販売会社JSSを設立(2024/3/27 リリース)
- STUDCO社(米、豪の建材加工販売会社)の買収により建材事業収益基盤強化(2024/5/7 リリース)
このあたりの利益貢献にも注目していきたいですね。
京浜地区の活用
需要低迷により京浜地区の第2高炉の閉鎖が2023年9月16日に行われました。これにより年間450億円の固定費削減を実現し、損益分岐点の大幅引き下げに貢献しました。
さらに、この京浜地区の活用が重点課題として挙げられています。これは「OHGISHIMA2050」プロジェクトとして川崎市として協働して進められています。
コンセプト:JFEグループは、カーボンニュートラルとイノベーションを実現する先進的な取組に挑戦するフィールドを創出することで、地域・社会の持続的な発展および国の重点課題の解決に資する都市を目指します。また、大規模災害時には首都圏防災に貢献することを目指します
わかるようなわからないような、、、という感じですね。
周辺に石油・ガス・電力施設が多いのと港湾地区であるために地球にやさしい系の産業育成をしていく都市にしていこうということでしょうか。
割安判定|PBRとPER
PBRはずっと1倍割れですね。またPERもここ数年は10倍以下で割安水準にあります。
配当方針
配当推移
純利益と相関するような配当ですね。わかりやすいです。
だからこそ買い付ける株価については妥協しないでおきたいですね。
2024年9月後半現在では配当利回りはなんと5.6%!。
DOE採用「なし」
JFEホールディングスはDOEを採用していません。
配当性向
配当性向30%程度をすることを基本方針していることをWebサイトで発表しています。
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